いなみ

言うよ、だって

無形

いやーもうね、夏もいよいよ幕を閉じると思うとせいせいしますね。え?夏が終わるのが嫌だ?確かにね、確かに、うんうん


いや、夏はもういいぜ


夏を終わらせたくない人に理由を聞くと大体が“青春”だとかそういう形だけの風情に囚われてるんですけど、いいですか


冬の方が盛り上がります、そういうのは


俺が言うんだから間違いない。冬の方が盛り上がる。そもそも、夏はまず温度も湿度も最悪だろ。なんだ、30度後半って。なんだ、湿度80%越えって。人間の生活出来る場所じゃないんだよな、地球。夏になったら地球も他の星に「良いとこ見せちゃうぞ〜」と躍起になるのは分かるけどさ


他の星、引いてるからさ


もうやめな


話が地球のイタいとこになっちゃったんで、話を戻しましょう。まず青春とは何なのだろうか、ということなのですが。これはまず”男女間で行われる何か“で良いと思います。どうせ人間なんて異性に感情を弄ばれるのが気持ちいいようにプログラムされてるのが殆どなんだから(例外もあるだろうけどさ)


その中でも一番、それを感じやすいのが”ハグ“なんじゃないかな、と思います。


「ハグよりももっと気持ちええもんがあるじゃろがい」


うるさいな


「お前、実はまだ…」


俺の中のジジイ、うるさすぎるな


「ワシは今も現役じゃぞ」


それ言うやつ大体現役じゃないんだよな、もう。第一線から退いてんのよ


そしてジジイの首をへし折り、地中に埋めたところで俺は小学生の頃を思い出す。


小学生の頃にした団地マンションの後ろ、せまーい裏路地でした初めてのハグ、あれが未だに忘れられません。季節は雪がほろほろと降る程度の冬でした。




あ〜あ、冬ももういいな







                                                        おわり