いなみ

言うよ、だって

覆水盆に返らず

f:id:Inami_c:20190902013330j:plain時間が経つのは早いもので青葉と付き合ってから約3年の月日が経ちました。


このような事もありました。


最初の頃は「上手くやっていけるか…青葉と肩を並べられる存在になれるだろうか」、「青葉は僕のことをどう思っているのだろうか…もしかしたら…」など様々な不安が体を蝕み、一時期はふらふらと気力なく日々を過ごしていました。


しかしある日青葉から次のような事を言われ、そのような不安は一過性であることが分かりました。


「いなみさんは私の癒しです。遠回しな形容なんて要りません。癒しなんです。家に貴方がいるだけで身体に重くのしかかっていたものがスーッと身体から消えていくんですよ?そんなの“癒し”と言う以外に他ありませんよ。」


と。


え?青葉…?となりましたね。僕は。


それを言われた時は涙をグッと堪えましたが、寝る時には枕を濡らしました。人生で初めて枕を濡らしました。多分スポーツ選手ばりに濡らしました。「これが…涙…?」みたいな、ロボットが初めて感情を知った時みたいになってしまいました。


そんなハートフルなエピソードを交えつつ順風満帆な生活を送っていた僕達だったのですが僕は青葉に“1つ”、隠し事をしてしまっているんです。


それは


夜な夜な青葉のお尻に牛乳を少しだけ浣腸している


と言った内容なのです。


何故こんなことをしているのかというとそこには2つの理由があるのです。


まず、周知の事実として青葉ちゃんは“エロ”とは無縁な存在であるとされています。


以前、青葉ちゃんに「僕のニプル、本気出したら12cmはある。なので、一旦見てくれないか」と問うたところ「ニプルって何ですか…?」という旨の返答が来て「えーっと…まあ…その…空也上人みたいなものだよ」と答えたことがあります。


また青葉ちゃんの身体には青少年の教育にあまりよろしくないと糾弾される様な起伏はあまり確認出来な





––––––––––––嘘、どんな青葉も好きだよ。


これら2つの記述を踏まえて纏めるとエロを前面と出してない人がエロくなるのはかなりエロいからエロいんです。所謂“ギャップ萌え”みたいなもんだと僕は勝手に解釈してます。楽なので。


そして僕はそれを既に知っています。なので青葉に牛乳を浣腸します。それはもう予防接種の時のおじさんのように迅速な手つき、プロの犯行と言わせるような手腕を見せつけます。(青葉に。寝てるけど。)


そして理由はもう1つありますがそれは後ほど書きたいと思います。


––––––––––––––––––––––


青葉は密かに寝息をたてながらぐうぐうと眠りに耽っている。


「もう働けません〜…」


「(青葉、仕事大変なんだな。過労死しないでくれよ…。死姦は良心の呵責が起きるからな。)」


そう言いながら僕は青葉の眉間を優しくデコピンする。


「ん〜…」


「(おっと…悪戯が過ぎたかな?青葉が起きては元も子もない。早い所事を済まさねば…。)」


片手に携えた牛乳の入った注射器に視線を一瞬落とし、青葉の下半身へ視線を移す。


「それでは…失礼…。」


布団を剥ぎ、青葉の着ている藤色のズボンを優しく脱がせていく。着実に。しかし力強く脱がせる。淡い桃色をしたかわいいパンツが眼前に現れたのを機に本準備へと取りかかる。


「…」


件のパンツを左へずらしていく。まず最初に大陰唇がちらりと見えその直ぐ後には小陰唇、そして膣口…ここまで中腹。そしてここからは先程とは逆に小陰唇を通り大陰唇、そして大陰唇と鼠蹊部でパンツを挟む形へ持っていた。


「(この光景…世が世なら見ただけで逮捕されるな)」


そう思うくらいには過度な中毒性を孕むものであった。今ならコカインにどぷりとハマる著名人の気持ちも分からなくはないと頷く。しかし此処が終着点ではない。ここからが本番なのだ。


「(よし…)」


全ての準備は整い、いつでも牛乳を浣腸出来る態勢(体勢)になった。青葉の歪な菱形は「来てください、いつでも」と言わんばかりに微動だにしないで確かに其処に鎮座している。


「ふ…生意気な」


そう吐き捨て、牛乳を


浣腸した。


そして直ぐさまパンツを元の位置へ戻してあげ暫く様子を見る。


すると、膣口から極少量の牛乳が出口を求めてチョロっと滲み出てきて薄桃色のパンツに若干の白さを包含する“シミ”を作る。


これがもう一つの理由。そして僕の性癖の1つだ。


「一体これは…どうしたというんだ…。」


あまりにコケティッシュな現象に体は身震いを起こす。何度想像し、何度見ても褪せないものである。上のセリフも脳内では「何度言っているんだろう」と呆れ返っているがしょうがない。これはもうしょうがないんだ。青葉ちゃんの預かり知らないところで起きるエロ。”意図しないエロさ“がそうさせる。しかし、これを見て読者諸君はこう思うだろう。


“膣内洗浄でちょっと激しめな潮吹きの方が良いじゃないか”と。


それもまた一興ではある…が、今回のケースではこちらを選ばせてもらった。(睡眠時というのもあるので。)


妖艶さ、大人びた色気控えめな青葉ちゃんが自身の知らない間に大事な部分を見られ…挙げ句の果てには、屈辱的な行為をされる。それら一連の流れは宛ら遥か昔から伝えられる黄金比のような素晴らしさを誇っている。


和を貴しとする日本人に合う最高のシチュエーションの顕現。聖徳太子も首を縦にブンブンと振っている。こんな興奮は日本以外では味わえない。(エスノセントリズムとかではないよ。)


「青葉…好きだ…。」


口づけを一方的に交わす。粘膜が触れ合うだけに留めて…


そして、僕はその場では致さず自室へ戻り脳内に焼き付けたモノクロの記憶で致す。それは、一度本物で致してしまうともう一生逃れられなくなると…そういう自信があったからだ。宗教じみたあの光景そのままで射精してしまえばもう記憶でなんてのは無理な話だ。だからモノクロで抜く。理解のし易いことだ。


––––––––––––––––––––––


一通り事を終えた後、睡眠をとる。そして朝が来る。


青葉は気怠そうな顔でリビングに姿を見せるが僕のことをチラと視界に入れればすぐいつもの朗らかな笑顔をして「おはようございます!」と言ってくれるものだ。


これだけでもう幸せだ。これ以上ない幸福だ。


青葉が出勤する時には毎日恒例で“今日も一日頑張るぞい!”と2人でやる。それは今日も例外無く行う。ルーティンワークみたいなものだ。


「「今日も一日頑張るぞい!」」


そうして青葉が会社へと出発した後は静かになったリビングで朝食の続きを済ます。


「夜中にあんなことをされているとは思わないだろうな、青葉…。」


その気付かない姿にも興奮をする。悪いこととと自覚をしていても男の性がそれを制止しようとしない。寧ろ興奮を助長させると言った方が適切なのかもしれない。


微かな寂寥と背徳が心にチクっと何かを警告するように刺すが、そんなものは朝食を終え仕事へと向かう準備をしている最中にポロっと忘れてしまう。


他人からしたらふざけている、卑劣、キモい、性差の暴力などと思われるだろう。


間違いではない、決して。正しい、至極真っ当なことである。


が、やめられない。


堤防はとっくに取っ払われてた。しかしそれに気付かないでいる。いや、気付けない。


一度溢れたそれを視認するにはあまりに難解で気付きようのない程静かで一切の影を残さず消えていく、刹那的な何かが燻っている。


闇の中もがく訳でもなく、ただそれに耽溺することしか出来ないでいる。


非常に衰微的なのだが、それでいいんだよと何か悪いものに囁かれ今日も一日…と呟き在るべき場所を彷徨うしかないでいる。