いなみ

言うよ、だって

銭湯

「ガシガシと洗えるような、そういう関係が良いんだよな」


「分かります。では、いかせてもらいます」


「おう」


ズバッ


「うお、ちょっ(笑)肉が削げてる、肉が(笑)」


「すみません、先輩ともっと深い仲になりたくてつい力んでしまいました…」


「力んで、人の肌を貫通する威力の背中ゴシゴシを出来るって…君の将来をこの眼(まなこ)で見守れる事が私の唯一の楽しみだ」


「先輩、照れます」


ズバッ


「おっほ(笑)、骨まで来たもんだ(笑)いやね、最近の年配者は若者に対してある種のコンプレックスを抱いていてね、それというのが丁度、自分が若かった頃と規範も社会通念もあれよあれよという間に変化していってしまってそれについていけない自分を認めたくない、というような所から来ているのよ。ただ、君は若者の中でもかなりの逸材だ。君、今年で何歳になるんだったかな?」


「21っす」


ズバッ


「心臓まで後もう少しだ(笑)、これ以上は本当にヤバそうカモ(笑)それはさておき、君は小学生の頃、どの教科が得意であったかな?ふーむ、僕の予想では“国語”が得意教科でありそうだけど、どうかな?」


「理科っす」


ズバッ


「心臓がぶら下がっている。心臓が身体から飛び出てぶら下がることなんてあるんだ。心臓というのは大事なもので大事だから骨やら肉やらで包囲されてるんだけど、こうも外に露出していては、いつ死んでもおかしくない。いや、ここまで露骨に外に出ていると逆に清々しいな。誰もこれを心臓だとは思わないんじゃないか。だって、飛び出てるからね。マンガばりに出ている。いや、漫画ではちゃんと真っ直ぐに飛び出てその後、心臓は元いた場所へちゃんと帰っているけども僕の見立てではこの心臓はもう戻らないんじゃないか?そりゃあ、手で掬い上げてやれば、元には戻るけれど、もう、そういうことではない。これはね、もう戻る、戻らないという話じゃないな。これはね、一択。『死』が近い。うん、心臓が外に出ていながらこんなにペラペラ喋れているのが不思議でしょうがない。自分の生命力にビックリしているよ。僕は、こんなにもしつこく粘り強い精神を備えていたのだなと、今になってようやく気付いたよ。いや、これもまた君のおかげだ。しかし、どうして今なんだろうな。そうあれは3年前の冬、妻の美代が私の元を去ってしまった冬だ。あの日は今でも忘れられない。雪が激しく降る冬。美代はね、とても可愛らしい人だった。僕の手には余る素敵な人だった。あの日々は輝いていた。僕が、罪を犯すまではね。ハハ、何、罪と言ってもサイバーテロだよ。良くあるだろ?僕はね、阿部寛のHPにサイバーテロを仕掛けて捕まったんだ。皆、電波の状態が良くない時に阿部寛のHPに飛んで安堵感を得ようとする。僕はその姿勢が許せなかったのさ。しかし僕は、人を殺したくないから阿部寛のHPに八つ当たりすることにした。サイバーテロを仕掛けた時の阿部寛の顔は心なしか悲しそうだったな。「君は偉い、その敵意を最小限に食い止めた。だが、それは悪い事だ」と正論を阿部寛に言われてるような気がしてね、マウスを握った手は小刻みに震えていたよ。最初はしてやったりの歓喜で震えていたと思っていたけど、そうじゃなかった。僕は阿部寛が怖かったんだな。心の奥底で蟠る阿部寛への畏怖がその一瞬で表面化していたんだな。どれだけ取り繕ってもこの感情だけは拭えない。これに気付いたのは刑務所の食事休憩の時間、隣に座ってきた体臭がキツいジジイの一言だった。「ここ出たらな、寿司をいっぺえ食う。出来るだけ食うんよ。昔の俺は日常に落ちている楽しさの欠片を踏んでは嘲笑していたのよ。こんなもんは紛いモン、これを拾って嬉しいだの楽しいだのほざいとる奴はバカや。と思っていた。実際は違った。些細な、どれだけ小さな物でも見つける努力や、工夫は人生に艶を出すんや」目から鱗だったな。そうなのだ、鶏が先か卵が先かみたいなのはこと、人生においては色んなことを言われているがあの臭いジジイが言っていたことはスッと腑に落ちたのよ。瀬戸内寂聴も90歳を超えて様々なことに挑戦している。死ぬ時に「あれをすればよかった」とならないような、悔いのない人生にしたいと言っている。私達は今こそ、今の内に瀬戸内寂聴の金言に耳を傾けるべきではないだろうか」








無形

いやーもうね、夏もいよいよ幕を閉じると思うとせいせいしますね。え?夏が終わるのが嫌だ?確かにね、確かに、うんうん


いや、夏はもういいぜ


夏を終わらせたくない人に理由を聞くと大体が“青春”だとかそういう形だけの風情に囚われてるんですけど、いいですか


冬の方が盛り上がります、そういうのは


俺が言うんだから間違いない。冬の方が盛り上がる。そもそも、夏はまず温度も湿度も最悪だろ。なんだ、30度後半って。なんだ、湿度80%越えって。人間の生活出来る場所じゃないんだよな、地球。夏になったら地球も他の星に「良いとこ見せちゃうぞ〜」と躍起になるのは分かるけどさ


他の星、引いてるからさ


もうやめな


話が地球のイタいとこになっちゃったんで、話を戻しましょう。まず青春とは何なのだろうか、ということなのですが。これはまず”男女間で行われる何か“で良いと思います。どうせ人間なんて異性に感情を弄ばれるのが気持ちいいようにプログラムされてるのが殆どなんだから(例外もあるだろうけどさ)


その中でも一番、それを感じやすいのが”ハグ“なんじゃないかな、と思います。


「ハグよりももっと気持ちええもんがあるじゃろがい」


うるさいな


「お前、実はまだ…」


俺の中のジジイ、うるさすぎるな


「ワシは今も現役じゃぞ」


それ言うやつ大体現役じゃないんだよな、もう。第一線から退いてんのよ


そしてジジイの首をへし折り、地中に埋めたところで俺は小学生の頃を思い出す。


小学生の頃にした団地マンションの後ろ、せまーい裏路地でした初めてのハグ、あれが未だに忘れられません。季節は雪がほろほろと降る程度の冬でした。




あ〜あ、冬ももういいな







                                                        おわり


人間ドックって結局どういう場所なのさ

f:id:Inami_c:20200912141249j:plain
妻から「貴方は昔から危機管理がなっていない」と言われ半ば強制的に矯正を促される運びとなったのはつい最近のこと。「まずは、『人間ドック』という場所へ行く習慣をつけろ」と言われ妻は恐妻とはとても言い難いが普通に怖いので言われるがまま通っている。(人間ドックに通うのを習慣とするには歳不相応だと思うが、そこは黙っておく)そこで、何度も通う内に少しばかり気になることが出来た。それは、ほぼ毎回定位置に座っているジジイがいるということだ。

 
私は週6で人間ドックに通っている訳だが、そのジジイは毎回同じ時間、同じ待機席に座って同じような顔で帰っていく。恐らくだがあのジジイは俺を超える“週7”のペースで人間ドックへ通い詰めている。そんなことあるか?このジジイは年金でパチンコをしに行く感覚で人間ドックへいそいそと足を運んでいるのだ。(宛ら、病源を初当たりだとでも思っているのか)
 
ともなれば、好奇心というものが私を突き動かすのは至極当然である。何故なら“週7で人間ドックへ通い詰めるジジイ”の内心なんて絶対面白いに決まっているからである。そこで明くる日の昼、意を決してそのジジイに話しかける事にした。
 
「どうも、はじめまして。いつも、この人間ドックへ来てますよね?」
 
「おお…そうですが…。それが何か?」
 
「いえ、少し気になりましてね。どうしてそんなに人間ドックへ通い詰めているのか…について…」
 
「何、予防ですよ、予防。この歳で病気にでも罹れば直ぐに命を落とす事は分かりきっているのでね」
 
なる程、と一つ相槌を打つ。しかし、このジジイはまだ内に何かを秘めている。そこで俺はこう問い掛けた。
 
「仮にそれが目的だとしてもここまで通うのは並大抵の事ではないでしょう。私もここ数ヶ月間、週6で通っていますが逆に精神の病を患いそうになる時がありますから。私の見立てではあなた、週7でここへ診療を受けに来てそうですが?」
 
「ほう…それを見抜くとは大した男だ。確かに私は週7でここに来ている。理由としても昔は予防、知らず知らずのうちに病気に罹りでもしたら大変だということで通っていた…しかし今は違うな。もっと“大事”な理由が出来たのだ。」
 
異様な雰囲気を漂わせるジジイ、この気はジジイが放つそれではないし、人間ドックでここまでの空気感を醸し出すジジイなんてこの世に存在していい訳がない。
 
「…。では、その大事な理由というのをお聞きしてもよろしいでしょうか?」
 
「何、簡単なことよ。人生80年時代とは良く言ったものよな…。」
 
そう言葉をポツリと口に出した瞬間–––…
 
「っ!?」
 
俺の身体に何か異変が起きた。
 
「ふん…あんた、聞くところによれば嫁さんに危機管理がなっていないからここへ行くよう唆されたようだな」
 
ジジイの口ぶりに違和感を覚える…。
 
「唆された…?」
 
「科学に傾倒し、その科学を盲信するようになったこの現代社会…理解不能なモノは皆、見て見ぬふりをするだろうな…」
 
こいつ–––––…まさか…
 
「私は10歳からこの人間ドックへ通い詰める内にある“力”を持った…。それは、『人間ドックで見つけた病やその元になる菌を任意の相手に移動する』という力だ」
 
そんなバカな…こいつがあの…
 
「お前…お前があの“人間ドック通い詰めジジイ”だったとでも言うのか…」
 
「巷ではそのように言われてたようだな。まあ、悪い気はしないがな」
 
「しかし…何故、俺に移動させた…。何故、俺なんだ」
 
「お前が今苦楽を共にしているあの妻、あれは私の元妻だ。お前は私の最愛の女を奪ったのだ」
 
「いや…歳が…元妻って…妻は21歳だぞ!そんな浮ついた話、信じられる訳がないだろ!」
 
「ふん…まあ、それも無理はないな。なんせ妻は歳を偽れるからな」
 
「な、何だって…」
 
「妻は私と同じ80代だ。お前が今見ている姿は仮初の姿よ。もう腰は折れ曲がり、歯は歯槽膿漏で剥き出しになって、“体面座位”をいつまでも夢見る愚か者が彼女の本当の姿よ」
 
「こんなふざけきったこと…あっていい訳…」
 
「あるから今、君は苦しんでいるのだよ」
 
「くっ…こんな…
 
 
 
こんな所(人間ドック)で死にたくね〜よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ってなりたくないですよね?
 
 
 
 
 
 
早めの予防、早めの対処を。
 
 
 
鎌倉人間改造クリニック

f:id:Inami_c:20200912151315j:plain



 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
                                  おしまい
 
 

ない

メイド喫茶予行演習

 
メイド(以下、メ)「おかえりなさいませ、ご主人様」
 
俺「ご主人…様…だと?俺の事は『†(だがー)下界に君臨せし民導神†(ダガー)(みんどうしん:地球に住む人を良き方向へ導く神の意)』と呼べ、そう言ったはずだが?」
 
メ「申し訳ございません†ニ(ダニ)」
 
俺「略してきたか…おもしれー女…明日殺してやる」
 
メ「こちらです」
 
俺「ン」
 
–店内–
 
 
 
メ「今日はどう言った用事で足を運ばれたのでしょうか」
 
俺「う〜ん、特にこれといった用事はないんだけどね…強いて言えば君のその顔も見るため…とでも言っておこう」
 
メ「キモいな」
 
俺「五臓六腑に染み渡る罵倒、感謝〜w」
 
メ「オムライス作ってきます」
 
俺「はい」
 
–––––––––––––––––––––––
 
メ「†ニ、こちら“特製オムライス〜愛は走るよ、箱根の森彫刻美術館辺りまで〜です」
 
俺「全然走ってね〜笑(この店は神奈川県に鎮座している、とパンフレットに記載している)」
 
メ「このオムライスに文字を書こうと思うのですが、当店ではケチャップの他にマヨネーズ、ソースをご利用出来ますが」
 
俺「じゃ〜…ソースで」
 
メ「りょ」
 
俺「りょ?」
 
–––––––––––––––––––––––
 
メ「お待たせしました、ご希望の言葉はございますか?」
 
俺「『堕天』でヨロ笑」
 
メ「つまらないです」
 
俺「うん…」
 
メ「それでは書かせていただきますね〜」
 
 
ヌリヌリ
 
 
 
 
 
 
 
 
 

f:id:Inami_c:20200901182107j:plain

 
 

 

 

え!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!!?!??!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

f:id:Inami_c:20200901182107j:plain

 
 
これが堕天(だてん)!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!!?!??!!
 
 
 
 
 
 
 
 

 

f:id:Inami_c:20200901182107j:plain

オムライスに封印されたフィフィ
 
 
 
 
 
 
 
オムライスに封印されたフィフィ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!??!!?!??!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 

f:id:Inami_c:20200901182107j:plain

不動産屋に騙されてかなり間取りがとち狂っている部屋に住む羽目になったフィフィ

 

 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メイド喫茶は見送りです、ありえない
 
 
 
 
おわり
 
 

採点というゴールしてもモヤモヤする迷路

f:id:Inami_c:20200728013031j:plain(最悪)


皆さんはネタボケライフというサイトをご存知でしょうか。簡単に言えば大喜利を楽しむサイトです。


僕は最近このネタボケライフにハマっておりまして順位が上ならお母さんに見せたり順位が芳しくなければひた隠しにするような具合で楽しんでいます。


さて、ここからが本題なのですが上述した通り、この大喜利には“順位”という概念があります。それではその順位は誰がつけるのかというと”誰でも“付けることが出来ます。


正確には大喜利の投稿数が10件以上の人、という条件なのですが細かいことはなしです。とにかくサイトを使う人であれば誰でも採点の権利を得ているという訳です。


そこで僕は、投稿件数も10を超えそれとなく大喜利のにおいを感じれてきたような気がする(気がするだけ)ので「お前らの血と涙の大喜利、見せてみろや…」という勢いで採点作業に取り掛かる訳なんですが…




量がまず多い、と。


まあ、仕方がないと思います。インターネットは広いです。寧ろ少ない方だと思います。大体1つのお題に対して300〜400件近くの回答があるのでその1つ1つにどのような考えがあるのかな、とか回答のこの部分が面白みの肝だ!とウンウン唸りながら点数をつけていく作業を繰り返します。


最初の方は「ウワ〜、こういう回答の仕方もあるか」とか「これは面白いな〜、ズル過ぎだ」とか「ウンコに頼るな」とか「チンチンから卒業しろ」みたいな感じでツッコミを入れながら採点を出来るんですがやっていく内に段々こんなことを思うんですよね。



「俺はどういう基準で採点しているんだ」



自分がどういう価値観、尺度で採点していたのかが曖昧になってきて厳密な採点を疎かにしちゃようになってしまいました。さらにその迷走に拍車をかけるのが“回答のゲシュタルト崩壊”のようなものです。


ずっと、採点をしているとどうしても同じ方向性、ジャンルから攻めている…似通った回答が散見されます。そうすると、「あれ?この回答、最初見た時はおもしろいと思ったけどよく見ると他とかなり被っているな〜、いやでも面白いしな〜、まあまだそんなに被っている訳ではないし…いやまた同じような回答が、でも若干、言葉の回しが違うような〜じゃあこれはこれとして次はなんだ…?視点が違う?え?同じか?同じことを言っている?じゃあこれとこれは良いとしてさっき採点したあれをもう一回見て…そうするとさっきつけた点数って妥当ではない?どうなんだ…」







狂うわ







いや、採点し終えたんですけど、狂うわホンマに







ネタボケライフって採点する側の人間がいて成立しているということを肌で感じました。それに採点している人を見てみると結構な頻度で採点を請け負っている屈強人(くっきょうびと)がいて「この人、悟りでも開いたか?」となってしまいます。


単純に大喜利なるモノを知らない、と言われればそれまでなのですが大喜利について知識を深めれば採点も上手くなるものなんですかね?


当初は「俺を満たしてくれる奴はどこにいるかな〜?グヘヘ」というスタイルでやらせて貰っていましたが終盤辺りはもう「店主自ら出汁を!?」と最悪な二郎ラーメン店の悪夢を見ながらやっていました。


ただ、採点という行為を通じて“回答の偏り”であったり“自分には無かった考え”や単純に知識と言ったものを得れるというのはかなり自分にとってプラスになることだなと感じました。そんな感じです!!!!!!!!!ありきたりな結論!


また暫くはひたすらに答えまくる日々を過ごそうかなと思います。何事も急がず、のんびりとやるのがいいんじゃないかなと農家になった世界線の俺も言っています。


今回は具体的な例とかを出せなくて申し訳なかったです。自分の言っていることについて自信が無いのでそう言った例はつけませんでした。




おしまい




今年も後半戦

皆さんは“堅あげポテトを食べるおじいさん”をご存知でしょうか?


その名の通り堅あげポテトを食べるおじいさんなのですがその食べるまでの葛藤ぶりが今、若い世代で話題になっています。


どのような葛藤をしているのか、気になることかと思います。


今回は特別にその葛藤ぶりを文章に書き起こすことが出来たのでここに載せたいと思います。


それでは↓







7/×日 都内某所 天気:雨 湿度:76%


インタビュアー(以下、イ)「本日は堅あげポテトに対して異常な葛藤を見せてくれるということで堅あげポテトを食べるおじいさんの家に来ています。それではよろしくお願いします。」


堅あげポテトを食べるおじいさん(以下、堅あげ)「ヴァイ(”はい“の意、歯が全部無いので発音が不安定)、よろすく」


イ「それでは早速堅あげに餌付けをしてみたいと思います。餌付けというと堅あげを下等な存在として取り扱っているような印象を与えるのですが、先に断っておきましょう。これは堅あげが直々に”そう”呼ぶようにと仰られたので堅あげの意思を尊重してこのような言葉を用いてるまでですので。ご了承を。」


堅あげ「(テレビに映せない程下品な笑顔を浮かべる)」


堅あげポテトを食べるおじいさんのババア*1「こらこら堅あげ、顔が歪んでますよ」


堅あげ「歪んでいるとは、どういう表現だ。私のこの眉目秀麗なご尊顔に失礼だと思わないのか。」


イ「(急にハキハキ喋るな、こいつ)」


堅ババア「すみませんねえ、本題と逸れるような結果になってしまって…後でこれ(左人差し指と親指で輪っかを作り、その輪っかに右腕までズボズボとする動作)しときますので。」


イ「(ババア…?)」


閑話休題


イ「それでは早速ですが堅あげが堅あげポテトに対して異常な葛藤を見せる姿をご覧下さい。(何を言っているんだろうな、私は)」


堅あげ「…。」


堅ババア「始まりますよ…堅あげはですね、この時だけは少年の頃を思い出したかような目をするんです。この時の目をくり抜いてですね、メルカリで高く売りたいと何度思ったことか。きっと良い値がつくに違いありません。」


イ「(うるさいな)」


堅あげ「…。」


堅ババア「(小声で)ちょっとちょっと、堅あげ?今ここで貴方が成果を残さないとテレビ局の人達が困るでしょう。普段通りでいいの、普段通りで。貴方はこんなクソフワフワした緊張下でビクビクするような男ではないでしょう。えぇ…?ミスをすると言うのなら

今ここで貴方の背骨に生花をしてもいいのよ」


イ「(ヤバいなこいつ)」


堅あげ「うわあ〜!(クソ情けない声)」


イ「(めちゃくちゃ情けない声だな)」


堅ババア「めちゃくちゃ情けない声だな!!!」


堅あげ「今日の湿度を言え、barbar(バーバー:ここではおそらくババアの意)。」


堅ババア「76%です。」


堅あげ「ふーん、じゃあ今ここで食べてもいいんだな?」


堅ババア「早く食べて下さい。」


堅あげ「まだだ…こんなクソみたいな湿度でペティトゥ(ポテト)を食べるのはペティトゥに対する冒涜だ。もう少し何かが、食べても冒涜にならないきっかけが必要なんだ。」


イ「(いいから、早く食ってくれー!!)」


堅ババア「テレビ局の方、もう既に何人も失神しているわ。きっと、この“放送事故(ほうそうじこ)”とも呼べる凄惨な事態に絶望を覚えているのだわ。早く救済しなさい。」


堅あげ「テレビ…テレビをつけろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


イ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」ピッ


テレビ「チリ🇨🇱が…チリが…














浮きました。」


堅あげ「(バリバリィ!)」


堅ババア「喰らったぞ(言い方)!!!!!!!!!!!ちゃんとそのでっけえ跳び箱みたいなやつにおさめたんだろうな!?!?!?!?」


イ「カメラです。(バッチリおさめました。)」


テレビ「チリが6900m程浮きました、浮遊都市になりました。チリの人達に中継を繋いでください。」


チリの人々「堅あげ!やりやがったな!(意訳)」


イ「あの、堅あげさん。チリの人達がめちゃくちゃ怒ってるんですけど」


堅あげ「」


イ「あの」


堅ババア「今ので全ての気力を使ったぽいです」


イ「何なの?」


チリ人「お前えええええええええええええええ、ふざけるんじゃないヨ!コロヌ!」


イ「国際問題に発展するぞこれ」


堅ババア「今日の所はこれで勘弁して下さい。」


イ「今日の所はっていうか今日で何もかもおしまいだろ。」


堅ババア「それではこれ(堅あげ)がこれ(昇天)でこれ(救わないといけない)なのでこれ(煙になって消える)で」ボォン


イ「こんなバグった業界は嫌だ〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


地球の圧縮先:高田純二のもみあげ


ギュゥン









との事らしいです。


おしまい


参考文献:『絶対に人を救える三大忍術』 著:不明





















*1:妻、以下堅ババア

頼むから誰か俺と友達になってくんね?

f:id:Inami_c:20200707140110j:plain

浪人時代、自動式の便座に出便(しゅつべん)を阻まれたのは記憶に新しい。ソイツは人が来れば「やってるよ〜」と言わんばかりにすぐ蓋をご開帳してしまうヤツ。


だが、俺の時は違う。一度「やってるよ〜」と見せかけて「やってねえんだ、実は(笑)」と一度開けかけたその蓋を自ら閉める。俺はプライドが高い。もう一度個室に入り、ソイツが自らその下品な股を広げるよう仕向ける。


だが、開かない。


俺はこう見えても小中高と紛れもないエリートでした。誰も信じやせんでしょうけども、俺の存在を無視できるやつは誰一人としていやしませんでした。そして俺は今ここで知らしめる。内側から滲み出る気迫。もうね、泣いて許して下さいと言っても止められません。俺は回送車。振り上げた拳をおさめるに値する場所を見つけなきゃ満足せんのよ。


開かない。


産まれた時に「俺は産まれるべくして産まれた」とね、悟りました。北は頭から南は足先まで誰もがそう確信していた、と。口を動かせばスタンディングオベーション。手を動かせば株価が安定し、足を動かせば大地を揺るがす。地震の原因と言われ拘束された13の暮れ時、唖然とする両親、川沿いに生茂る雑草の中に投げ捨てられた囲碁盤、煩雑な手続きとそれにいつまでも縛られ続ける人類とそれに気付かない、気付いていないフリを続ける俺達。表面をなぞるだけで全て終わったかのような扱いをする…と。苦い夏になっちゃったな…。いつまでもレクリエーションの気分で生きてきたし、これでいいんだって。家族と電化製品店に出向いて利器に首を垂れながらも心は確かにそこに存在してて、でもいつまで経っても奥底から充足されるような出来事なんて起こらなくて…こんな受動的な俺を許してくれ、母ちゃん。


開かない。


隣の個室が空いたのでそっちに移動しました。






移動した便座が人肌でヌクヌクしていました。僕が唯一人肌を感じれる瞬間、それは人が便をした後に仄かに感じる便座のヌクモリティでした…。


ちょっと香ばしい臭いがするけれど、錆び付いて上手く作動しない歯車に潤滑油が差し込まれる。そして少しずつ、歯車は元の運動を開始する。快活な表情。それは、きっと心地よいこと。心地よいことは求めたい。だから、座る。尤物というのは時に人よりも劣っているように見えがちです。


一通りを終えたら、ゆっくりと個室から出て行く。僕は膝に頬杖をつきながら大便をする癖が昔からあるので長時間、大便をしていると大体足が痺れます。そして足を痺れさせながらトイレから出てくるので、“捕獲の頃合い“と呼ばれていたり呼ばれていなかったり。寧ろ呼んでくれて良かった、な。あの時なら。


「じゃあ、そもそも何で便座に温もりを求めるのかって話。」


急に関暁夫が出ましたけどもね、こんな不毛な話で出てほしくないんですけどもね


「始まっちゃってるのよ、人間選別」


始まってねえよ


「これからの時代、“ちょっと香ばしい人肌”が先行して二足歩行する哺乳類を引っ張るんだよね」


関暁夫はそんなこと言わないし人間のことを“二足歩行する哺乳類”とか呼ばないだろ


「信じるな」


誰も信じねえよ


関暁夫が人肌に執着することはないのよ、ほな、他に何か言ってなかったか〜?」


次はミルクボーイが出てきたけどもね、一体どうなってるんですかね、ここは


「オカンが言うには、サイコロの1の目をずっと“ピンク”だと主張し続けてたんやけどな?先日、喉がイってしまってもう二度と喋れなくなってしまったらしいわ」


この世にいていい訳ないだろそんなやつ


「う〜ん」








「ほな、関暁夫か〜…その特徴は紛れもなく関暁夫やな〜。関暁夫はな、頭ん中にマイクロチップ埋め込んでからというものな、体の至る所がバグり始めてんのよ、今となってはもう咽喉が90°曲がってもう一生、使い物になれへんのよ。間違いないわ、それはもう関暁夫やわ。」





















浪人するとこんな風呂敷広げ始めるからなっちゃいけないししまってくれる友人もいねえって、まさに泣きっ面に蜂という訳


ちなみに泣いてねえから蜂が俺の面を貫いてるだけ、普通に事件


以上